『南営洞1985〜国家暴力:22日間の記録〜』

 

 1985 年、軍事政権下の韓国。民主化運動に身を投じていた金槿泰(キムグンテ)は、公安警察に不当逮捕され、22 日間の壮絶な拷問を受ける。この事実がアメリカの人権団体を通して国内にも知られるところとなり、軍事政権への不満が爆発。87 年の6・29 民主化宣言への呼び水となった。この事件を、韓国きっての社会派監督チョン・ジヨンが、故人への追悼と民主主義への希求の思いを込めて映画化した問題作。

 1985年9月、民主化運動に身を投じていたキム・ジョンテ(パク・ウォンサン)は、目隠しをされ警察署から移送される。着いた先は南営洞に位置する警察庁治安本部対共分室。彼を反国家団体の一味にでっちあげようと、人間の尊厳を踏みにじるような取り調べが続く中、拷問技師イ・ドゥハン(イ・ギョンヨン)はこうささやく―「もしも世の中が変わったら、あなたが私を拷問するがいい」。そして、世の中は変わった。